今回は母乳が赤ちゃんへ、どのように影響を与えるかを書いてみました。
母乳の質は、赤ちゃんの心身の成長発達に、大きく関わっています。
赤ちゃんの精神面からみると、お母さんが心配事があり、イライラして、不安そうな時は、赤ちゃんもぐずったり、機嫌が悪く、お母さんが病気の時は、赤ちゃんも元気がなかったりします。
逆に、お母さんが元気で、母乳育児をしている時は、赤ちゃんも機嫌が良く、つくづく母子一体性を強く感じます。長年母乳の仕事に関わっていると、母乳で育った赤ちゃんや子供達がいろいろ見えてきました。
私はミルクで育った子供さんがどうなのかはわかりません。健やかに育った子供さん達もたくさんおられると思います。あくまでも母乳で育った助産院の子供達のことで、私の体験からの話です。
退院されて来院してくると、まだうまく上手に吸ってない赤ちゃんは、不安そうな、ボーっとした顔つきですが、初めて湧き出るおっぱいを飲むと、目がスッキリして、顔色も良く、安心した顔をします。何か人間らしくなったというか。
入院中に、お母さんの乳首にしっかり吸わせてもらった赤ちゃんは、たとえ母乳の出が不十分でも、落ち着いて、安心、リラックスした様子であまり泣きません。退院してもあまり泣かず、よく眠ります。産後が楽だとよく言われます。お母さんの乳首に吸い付くことは赤ちゃんにとって安心で、癒される事なんでしょう。
次に、赤ちゃんの身体の面から考えてみると、乳質の良いおっぱいをのんで成長してくると、引き締まった感じでバランス良く肉付き桶谷先生はよく、赤ちゃんの身体つきを、丸めコチコチと表現されていました。
顎が発達して頬の肉も引き締まり、耳と頬骨の間の肉付きが良くなります。これは、顎を大きく動かし、舌をたくみに動かして飲むため引き締まってくるのでしょう。お母さんの乳首を吸うことによって身体全体を刺激してバランス良く成長するのでしょう。
頭はだ円形になり、歪んだ頭も授乳により形が良くなってきます。手足もよく動かし、寝返り、ハイハイと順調に育っていきます。手足の末端がぷくっと肉付き、栄養が末端まで行き渡っているように感じます。また、母乳の味も毎回違うため、味覚が発達します。母乳の乳質が悪い時は、湧いてきたら飲むのをやめたり、乳首を引っ張ったり、噛んだりして、訴えます。
お母さんが和食を食べていると和食好き、こってり食を食べいると、こってり好きが育ちます。味、匂いにとても敏感です。母乳は乳質によって、大脳に常に刺激を与えているため、素晴らしい感覚を育てているように思います。
次回に続く!