母乳育児の素晴らしさ 第1回 母乳とは

母乳とは、なんなのか

哺乳動物は、母乳で子育てをする。

このことは最も自然なこと。私の師匠、桶谷そとみ先生は、次のように言っています。

太陽の恩恵をこうむる、自然現象の摂理と同様に、重要視すべきものである。分娩が終わったら、子宮との相関関係によって、生理現象として母乳が分泌される。

お母さんにとっても母乳分泌は自然なことなのだ。さらに母側、児側からみても、自然の賜物、これが母乳であると。さらに、母子一体性の原理を見い出し、

自然の賜物である母乳を自然の摂理にさかわらず、哺乳した時、はじめて、母子が真に一体になると。

人として生まれ、人として、母から子へ乳を与え、人として育てる、最も自然なことなのです。

母乳は、赤ちゃんにとって最も合った食べ物です。アレルギーという観点から見ても、お母さんの血液なので、うなずけます。お母さんをとりまく、気候、食事、睡眠、など環境によって血液は変わり、母乳は刻一刻と変化します。

同じ味は二度とありません。毎回母乳の味は変わります。

変化する母乳を飲んで、赤ちゃんは心と身体がバランス良く成長していきます。

母乳の乳質により大脳が刺激され、運動、知覚神経を刺激して、知能が発達していきます。

これを、母乳の乳質刺激といいます。

母乳は人間形成の基礎を作っているのです。

母乳育児をするということは、このもっとも重要な時期を担っているのです。

懸命に湧き出る母乳を一生懸命飲んでいる我が子を見てお母さんはなんともいえない愛情が湧き出て、子供をいつくしみ、お母さんとして人格が育っていきます。赤ちゃんも愛情たっぷりの母乳を飲んで、お母さんを信頼し、安心感をもち、人を信頼する心が育ちます。

また、産後のお母さんにとっても、母乳を飲ますということは、血液の流れ、リンパの流れも良くなって、ホルモンのバランスがとれて、産後の回復を促します。母乳育児をする時がお母さんは人生で一番綺麗な時期と桶谷先生は言われました。

このように、母乳を飲ませるということは母と子には欠かせない、母子関係の成立の上でも大切な、営みです。