母乳の話② 母乳育児ができない理由

母乳育児ができなくなる理由を考えてみました。

まず、お母さんをとりまく社会はどうなのか、私は33年間この仕事をしてきました。前にも書きましたが、戦前、戦中は、母乳育児が当たり前の日本でした。戦後はミルクが出回りだし、栄養がある、簡単便利と珍しいこともあり、だんだんとお母さん達が使い始めました。

森永ヒ素ミルク事件もこの頃です。まだまだ後遺症で悩んでいる団塊世代もおられます。

産院も、この頃からミルクを使い始めました。90代のおばあちゃんは、ミルク育児をしており、母乳を語るお母さんが減ってきました。しかし、昭和の半ばになると、やっぱり母乳育児を見直さないとという専門家が出始めました。

桶谷そとみ助産師もその一人です。

また、医師の中にも、母乳回帰の考え方をする方も出始めました。私が病院で働いていた頃はちょうどその頃です。産後早くから、母乳を吸わせ、一生懸命に母乳援助をしたものです。私が助産院を開いてから数年は母乳を飲ませたいお母さん達が、世の中ミルク志向になりながらでもきてくださいました。

ところが、平成25年あたりから、急激に来院されるお母さん達が少なくなりました。なんでか、今仲間と模索中です。

ミルクは母乳より栄養が優れている。決して悪いものではない。お母さん、頑張らなくていい、母乳にこだわらなくていい、黄疸が出ているから、ミルクを沢山飲まして、完母の赤ちゃんで小粒だからミルクを沢山飲まして、体重を増やしてと言われたり、言ったらきりがないくらい、えーっ‼と言いたくなることが聞こえだしました。

文献を探すと、母乳の子は、自閉症や障害が出るとまで書いているものが見つかりました。

そんなこと言い切れるものではありません。

母乳育児は母と子の営み🤱、母乳は赤ちゃんに一番あった食べ物、そんなことは昔の産物みたいに言われます。

母と子にたずさわる専門家だけでなく、今は、実母、姑、兄弟、友人からも、ミルクを簡単に勧められ、母乳にしたいお母さんはとても悩み揺れています。母乳にしたいと、専門家に頼ると、ますます説得されてミルクになったり、おっぱいの援助も本当にわかっているの?と疑いたくなるマッサージ、指導。ますます世の中母乳にしたいお母さんは浮かばれません。泣く泣く悩みながら母乳育児をあきらめるお母さんが多いと聞きます。

納得してミルク育児を選んだり、母乳育児を選んだり、お母さんが自信を持って子育てできるように、もっときちんとした情報を提供することが必要です。私はこうして子育てすると自信を持って選べるようにしてあげたいものです。

第三者が決めることではありません。

お母さん自身です。

だから私は母乳育児の専門家だから、しっかり提供させてください!

また技術を提供させてください。

母乳にしたいお母さん達の願いが叶う為に、日々頑張っていますが、今言えることは、母乳育児をしたいお母さんは、退院して一日も早く、きて欲しいです。手遅れになる前に。

朝隈助産院だよりを読んで、出産にのぞんていただき、早く波に乗って母乳が出るように🤱、まずは来て母乳育児が出来る糸口を見つけませんか?

もっと母と子をとりまく環境が自然で優しいものであるよういつも願っています。

次回はお母さん達から考えてみました。