退院後の母の苦悩

出産後から五日まで書いたが、実際のところは、今の病院体制の中でやり抜くことはかなり苦労することだということを付け加えないといけません。

私が助産師で病院で働いていた頃はミルク育児から母乳回帰の頃で、自然に母乳援助ができ、お母さん達もプレッシャーもなく吸わせていました。母乳育児にするか、ミルク育児にするかは個人の自由で、それを病院がこうしなさいなんて特に指導することもなかったように思います。だから退院して母乳に困ったら🤱助産院に行ってマッサージや指導をしてもらい母乳が出るようにと来られていました。でも今は少し違うような気がします。30数年この仕事をしていると、母乳育児の変化が手に取るように、社会の変化と重なるように思います。なぜ、こんなにも子育てが移り変わっていくのか、変わってはいけない母と子の営みが、変わっていくのか、自然な、当たり前の育児が当たり前ではなくなって行くのか、とても助産師として不安を感じます。母乳育児を頑張っているお母さん達、楽しんでいるお母さん達が、来院されるたびに、愛おしく娘のように感じます。もちろん助産院に来られなくても母乳育児を頑張っているお母さん達楽しんでいるお母さん達も、頑張れ👍とエールを送ります。

でもなんか最近は違うような気がします。

母乳で頑張らなくてもいいんだ、こだわるのはおかしい!そんなに無理しなくていい、もっと楽に育てたら、こんなに便利な物があるじゃない、、、そんな風にお母さんが向けられているみたいに思えて仕方がない、手間暇かけて子供の為に子育てしたらいけないのか、母乳育児を選ぶか、混合にするか、ミルク育児にするかは、お母さんが決める事、そのためには、自分の気持ちを大切にしてもらいたい。

もっと、それぞれの方法を知ってもらいたい。そして選んでもらいたい、途中でミルクになってもお母さんが選んだことだから誰も何も言う必要がない。

私は母乳で育てたいと来院して来られると、ただ、ただ、全力で援助することが仕事だから、その為に技術を高める研鑽を積みあげるだけ、お母さん達がどう育てたいか尊重してあげてほしい。試練を乗り越えて幸せいっぱいの母と子、自然に子育てができるような、そんな風にはならない現実があるように思います。だからせめて、五日間、頑張って!