最近思うこと ②

一歳までの母乳育児について書きましたが、皆さんの参考になれば幸いです。わからないことがあれば、助産院に連絡して下さい。

桶谷式で母乳育児をされているお母さん、又自分なりに母乳育児をされているお母さん様々だと思うのですが、私は、本当は、桶谷先生は、特別な方法のつもりで、あみだされたのではなかったと考えています。

あの時代、戦争のさなか、食べるものも無く、母乳を出すのも大変な時、なんとか母乳を出す方法を考えて、先生独自の研究が始まったのだと聞いています。

戦後、いろいろな技術が発達して、哺乳瓶やミルクが開発され、お母さん達の子育ても変わってきました。すでに、戦後1〜2年には、ミルクがあり、今の団塊世代からミルク育児が始まりました。

母の話によると、ミルクを買うことが、時代の先端をいくような、母乳を飲ませることが、なんか古い気持ちがして、無理して買った思い出があったようです。

お産も、自宅分娩から病院出産に変わり、地域で活躍していた産婆さんも、だんだんと姿を消していきました。助産師も病院勤務にだんだんと変わっていったのです。

そんな中ミルクもさらに開発され、子育てが変わっていきました。

時代が変わって行く中、母乳育児の時代から、混合育児、ミルク育児とお母さんの選択肢が広がりました。

おそらく、桶谷先生の時代は、完全母乳からミルク育児へと変わって行く中、母乳育児がだめになる不安と心配をしながら、母乳は出るもの、出せるもの、と桶谷式乳房マッサージと子育て論を研究されていったのでしょう。

私が助産師になった時代はすでにミルクが浸透していました。

桶谷先生は、また違った視点で母乳育児の危機を感じていたのでしょう。

助産師の中にも、母乳育児は、自然な事、母乳を推進させなければと考える者、まだまだ母乳育児を望んでいるお母さん方が、先生の助産院を訪れるようになりました。

そんな中、母乳育児をすすめるわけだから、桶谷先生には、いろいろ相当の風当たりがあったようです。母乳を飲ませるのは当たり前の時代から、ミルクへと移行していく時代に急に変わっていくのだから、いろいろな意味で、賛否両論が出てくるわけですから、、、

でも、先生は、母乳育児は変わってはいけないんだと、ただそれだけの信念で、桶谷式としてお母さんと赤ちゃんのために世に発表され、賛同する助産師に手ほどきをして、全国に開業の道をつけてくださいました。

私自身、認定をいただいて、母乳を飲ませたいお母さん達の役に立ちたい!その思いで、希望いっぱい夢いっぱいで開業したことを思い出します。

それは今でも変わりません。

しかし、時代の流れなのか、いくら頑張っても、世の中はミルクへと変わっていきました。私のように長くこの仕事をしていると、世の中が便利になっていく、布おむつから紙おむつ、紙パンツ、、離乳食販売、母乳育児から混合育児、ミルク育児、外食産業の発達など、どんどん赤ちゃんを取り巻く環境が変わっていきます。

出産も自然分娩から、陣痛誘発分娩、無痛分娩、妊娠から出産、子育てが、自然にできていたことが、多種多様にお母さん達は選べるのです。

そんな中、母乳を飲ませることがとても難しくなっている現代です。

開業当初から、5年前までは、たくさんお母さんが来て、まだまだ母乳育児を希望するお母さん達がいましたが、この5年は、よほど母乳にしたいお母さん達が、赤ちゃんにしっかりミルクと哺乳瓶を覚えて手遅れの状態から頑張って吸わせています。

ミルクを入院中から、哺乳瓶でしっかり飲ませていると、退院して母乳にすることは、親子共に大変苦労します。時代の変化が早いのか、母子に関わる人たちがどうなのか、お母さん達の考え方が変わってきたのか、何か未来への不安と危惧しか感じられません。

ネットを見れば、桶谷式についていろいろ書いてありますが、厳しい意見もありますが、又助産師側にも大変問題があるものも確かにいますが、私自身、食べもののこってりしたものは控えて、今乳腺炎だから、脂っこい食事はしないで、それだけで、厳しいなど言われます。

私は何を言われても、おっぱいを出す、乳腺炎をよくする、吸い付かせる、など、来院されるお母さん方の要求に応えることが仕事です。桶谷式が合わなければ、たくさん助産師が開業されているので、変えればいいのです。

母乳育児がしたいと思う方は、赤ちゃんのために、少し頑張って見てほしいのです。桶谷先生の教えを曲げたくありません。なぜなら、素晴らしく母乳育児を研究され、実践できるからです。

何が言いたいかというと、子育てをいろいろ選択できるこの時代だからこそ、どういう子育て方法があるのか、自分の生活パターンは何がいいのか、子供にとって、自分はどうしてあげたいか、産むまでに、よく考えて欲しいのです。

せっかく赤ちゃんを頑張って産んだんだから、赤ちゃん中心に、考えて欲しいのです。子育てを、頑張る、赤ちゃんのためにと考えて欲しいのです。母乳育児がしたいお母さんには、私たちは全力を尽くします。

ただそれだけなんです。

だから私は、桶谷先生の教えを曲げたくないのです。

聞いてくださってありがとうございます😊